2017/01/29

庭のデザイン(庭づくり)をする時に考えることは何でしょう? ③: イメージづくりから実現へ 編

前回②では、
庭のデザイン(庭づくり)をする時に考えることとして、
「庭のイメージづくり」とイメージスケッチを紹介いたしました。

前々回の内容はコチラ
庭のデザインをする時、最初に考えることは何でしょう?植物選び?イメージづくり?それとも敷地の特徴(日当り、水はけ、風通しなど)?

庭イメージができあがれば、次は具体的なカタチを決めます。

ガーデンデザインの仕事では、
構造物の設計(素材、形、色)を細かく(ディテール)
決め、イメージやその土地環境に合う植物を計画します。


今回は実例をあげて、イメージを共有した後、実現させるまでの作業ポイントをご紹介いたします。

・平面図、立面図、詳細図など描きます。
・図面を描くことで、材料がどれくらい必要か、室内外からの眺めをつくるためにどんな植物をどのように植えたらよいか、を計画できます。


参考として、計画段階の図面と完成時の写真をご覧ください。

(写真上部)平図面と植物イメージ
(写真下部)完成した庭の写真
滋賀県大津市にある工務店さんのモデルガーデン
提案したときの図面の一部。
そして施工後の写真。























作業としては、自分自身で庭をつくる場合も同じです。

簡単でも構わないので、庭全体の平面図:縮尺1/50(どこに何をつくるか、どんな場所にするのか)と植物計画図:縮尺1/50~1/30(高さ、広がり、葉や花の色合い等)を考えてください。

実際に図面を書いたり、植物探しをはじめると、迷いが生じることが多いですが、最初につくったイメージに近い材料、カタチ、色合いを大切にしてください。

自分ひとりではなく、誰かと一緒に庭づくりをする際は、最初のイメージ、全体のイメージスケッチ、そして図面は、同じ目的を共有するうえでとても重要です。

お客さまとガーデンデザイナー、そして造園の職人さんとの仕事においても、同様です。
信頼できる職人さんと一緒に施工に臨みます。














同じ目的に向かって協力することで、施工がスムーズにすすみ、完成した庭はとても清々しい空気に包まれます。

仕事の場合、引き渡し後の庭は少しずつお客さまの雰囲気に馴染み、生長していきます。

まずは、イメージづくり、そして実現にむけてどうすればいいのかを図面に描く。
迷いながらも想像を膨らませる時間も、実現させる作業も楽しみながらすすめましょう。

困った時は、いつでもご相談ください!待ってます^^

ガーデンデザイナー 宮森有子
MIYAMORI-DESIGN.COM

2017/01/28

美しい景観は先人達からの贈り物。そう気づくと、普段の景色も違って見える

学生の頃はいろんな映画を観ていました。

今はあまり観ることができないのですが、
NHK「ダウントン・アビー」という海外ドラマだけは、
数年前に出会い、観ています。

20世紀前半のイギリスの貴族社会をえがいたドラマ。

イギリスの田園地帯にある
「ダウントン・アビー」(大邸宅)が舞台。
イギリス、ハイクレア城がドラマのメインロケ地。
ここは今も貴族が暮らしておられるそうです。
どんな景観が広がっているのだろう?

















建物、調度品、衣裳、景色が美しく、
何より会話やコミュニケーションのとり方が独特で、
感動することもしばしば。

「ダウントン・アビー5」では、
時代の荒波により貴族社会も大きく変化します。

大邸宅の主、父と長女が
広大な領地をどう扱うのか思案し、会話する場面。

領地を開発して家をつくり利益をえる計画について、美しい領地を眺めながら父と長女が話す場面に感銘を受けたので紹介します。

ダウントン・アビーの主、父がこういいます。
開発はする。利益も追求するが、みんなが愛するこの美しい村は守る。間違っているか?」

長女「いいえ、間違っていないわ」

ドラマのセリフですが、心に響く言葉でした。

今、あたり前のように享受している目の前の景観は先人からの贈りものである、ということです。

私たちも次の世代に残す景観をつくっている、ということを忘れずにいたい。
















庭は個人のものですが、少し離れてみてみると、それは周りの方にとっての景観の一部。

景観の一部だということも意識して、
お客さまに喜んでいただける庭をつくりたい。

「あたり前のこと」に改めて気づかせてもらえるセリフでした。

毎日、何気なく見ている景色に先人達の気配を感じずにはいられません。

あなたが大切にしたい景色はなにですか?

ガーデンデザイナー 宮森有子
MIYAMORI-DESIGN.COM